根抵当権付きの不動産を売却するには?根抵当権の抹消方法や注意点
不動産を担保にして貸し借りの上限額を定め、その上限額の範囲内であれば何度でも貸し借りができる「根抵当権」が付いた不動産を売却する際には、その根抵当権を抹消する必要があります。
今回はこの根抵当権の抹消方法および、その注意点などについて解説します。
根抵当権付きの不動産を売却するために必要な根抵当権の抹消方法とは?
ではまず、根抵当権付きの不動産を売却するために必要な「根抵当権の抹消方法」から説明しましょう。
根抵当権を抹消するためには、金融機関など債権者の合意が必要です。
そして合意を得るために不可欠なのが「不動産を担保にして借り入れているお金の完済」です。
そして、根抵当権抹消のためには、以下のような流れでの手続きが必要です。
●残債を確認して売却する不動産を査定もしてもらい、不動産売却をすれば残債が完済できるかどうかを確認する
●不動産売却をしても残債が完済できない場合は完済できるだけの自己資金を用意するのがベスト、完済できるだけの自己資金が用意できない場合は別の不動産を担保として提供する、他から完済するための借入をするなどの手立てを考える
●残債の完済のメドがきちんとついたら債権者に根抵当権抹消の合意をしてもらえるよう交渉し、交渉がまとまればその根抵当権での融資を今後受けることができなくなる「元本確定」をする
●債権者から根抵当権抹消に必要な書類をもらい、根抵当権抹消の登記手続きを司法書士に任せるための委任状に署名捺印する
あとは司法書士に手続きを任せておけばOKです。
抹消手続きが無事完了したら司法書士が書類一式を送るなり届けるなりしてくれますので、登記簿謄本を見て根抵当権が抹消されていることを確認しておきましょう。
根抵当権付きの不動産を売却する際に知っておくべき注意点とは?
根抵当権付きの不動産を売却する際に、必ず知っておいてほしい注意点として挙げられるのが「根抵当権の抹消は金融機関などの債権者との交渉が難航する可能性もある」ということです。
根抵当権というのは、債権者からすれば「不動産を担保とした大口の融資を利用してもらうためのくさび」のような存在で、本音を言えば手放したくない権利です。
そのため、根抵当権の抹消自体に難色を示されたり、根抵当権を抹消するために多額の残債を一括返済した場合に高額な手数料や違約金を請求されたりしてしまうケースもあります。
ですからまずは債権者に根抵当権の抹消への同意を求め、違約金などの有無も確認しましょう。
どうしても同意が得られない場合は元本確定の登記を命ずる判決を得るために裁判、という形になります。