不動産売却時の「査定」と「鑑定」はどう違う?「鑑定」をおこなうべきシーンとは
不動産を売却する際、価格を決めるために該当不動産の「査定」や「鑑定」をおこないます。
そもそも「査定」と「鑑定」がどう違うのかわかりにくいですよね。
どちらも不動産の価格を決める作業には変わりありませんが、「査定」と「鑑定」は使い分ける必要があります。
そこでここでは、不動産の「査定」と「鑑定」の違いや「鑑定」をおこなうべきシーンについて解説します。
鑑定は有料!不動産売却における「査定」と「鑑定」の違いとは
不動産の価格を決定するためにおこなう「査定」と「鑑定」ですが、「査定」は無料なのに対して「鑑定」は有料です。
基本的に不動産価格を決定する際には、過去の取引事例を参考にしながら原価法と呼ばれる方法を使って建物の価値を算出します。
「査定」は、不動産仲介会社がおこない、自社に依頼してもらった場合にこれくらいの価格で売却できますという参考価格を提示します。
一方で「鑑定」は、不動産鑑定士という国家資格を有する人がおこない、より専門的な分析や調査をおこなって価格を算出します。
そのため、鑑定を依頼するには10万円を超える費用がかかり、鑑定するための期間もかかります。
数日で結果がわかる査定に対して、鑑定は数週間かかるのが一般的です。
また、不動産の査定は複数社に依頼する場合もありますが、鑑定は1社に依頼するのが一般的です。
不動産売却にあたってどんな時に「鑑定」を依頼すべき?
一般的な戸建てやマンション、土地の価格を算出するだけであれば「査定」で十分です。
「鑑定」を依頼すべきケースは、特殊な不動産を扱う場合です。
たとえば、病院やゴルフ場やホテルなど、取引事例も少なく相場を把握するのが難しい特殊な不動産の場合に「鑑定」がおこなわれます。
また、相続税軽減のための証明書類を税務署に提出するときや、銀行借り入れの際に担保価値を示す場合など、公的な資料として鑑定評価書の提出が必要な場合に不動産鑑定を依頼します。
有資格者による価格であるため、一般的な不動産の売却時に利用すればより有利な価格で売却できるのではと思われがちですが、戸建てやマンションなどの実際の取引においては、鑑定士による価格だからといって必ずしもその価格で取引が成立するわけではありません。
逆をいえば、鑑定士による価格よりも査定額が高い価格であれば、高い方の価格で取引をおこなえるということです。
そのため、特殊な不動産でない限り、無料査定を複数社に依頼して信頼できる不動産会社を見つけるのがいいでしょう。