不動産を任意売却する際に発生する「ハンコ代」とは?発生条件は?
不動産用語の中で「ハンコ代」という用語を耳にしたことがあるでしょうか?
これは不動産取引の中でも任意売却時に出てくる用語ですが「ハンコ代」と言っても単純にハンコを押すための代金ではないのです。
任意売却では、通常の売却とは異なる点がいくつかあります。
そこで今回は任意売却における「ハンコ代」に注目し、その意味とハンコ代が発生する発生条件についてご説明したいと思います。
不動産の任意売却時の「ハンコ代」とは?どんな意味があるの?
ハンコ代の意味とは
ハンコ代とは簡潔に言うと「任意売却をする時の債権者への協力依頼金」のことで、別名「担保解除料」とも言われています。
ちなみに任意売却とは、諸事情により住宅ローンが完済できない場合に金融機関の合意を得て不動産を売る事です。
不動産を売却する時は抵当権を全て抹消する必要があり、抵当権の抹消には債権者の「ハンコ」が必要になります。
逆に言うと、債権者のハンコがなければ抵当権が抹消できません。
つまり、抵当権の抹消に協力してもらうために支払うお金を「ハンコ代」という訳です。
なぜ任意売却時においてハンコ代が重要なの?
抵当権を持つ債権者が複数いる場合、不動産を任意売却した後、各債権者に売却額を配分していきます。
しかし、債権者が複数いる場合、売却金は優先順位の高い第一債権者にほとんど入り、優先度が低い第2、第3、第4債権者などには入らないケースが多いのです。
そうなると、優先順位の低い債権者は損となるため、抵当権抹消に協力するのを拒否したくなりますよね。
そこで第一債権者以外の全員の債権者へ「ハンコ代」を支払うことで、債務者は抵当権を抹消することができ、債権者は配分に代わるお金を得ることができます。
不動産の任意売却時の「ハンコ代」の発生条件とは?
なかなか奥の深い「ハンコ代」ですが、任意売却時に必ず発生するかというとそうではありません。
ハンコ代の発生条件はずばり「債権者が複数いて、売却額が債権の合計額以下の場合」に限られます。
つまり、債権者が1人の場合や、債権者が複数いても売却額が債権の合計額以上である場合は、ハンコ代は発生しません。
ちなみにハンコ代の発生条件に該当しているにもかかわらず支払わなかった場合、任意売却をすることができないので、金融機関は強制的に不動産を競売にかけてしまいます。
債権者が複数の場合はハンコ代について知っておく必要があるでしょう。