修繕積立金を滞納しているケースでの不動産売却はどうなる?滞納増加の背景も解説
不動産売却をしたいと考えているが、その不動産の修繕積立金を滞納している、という場合はどうなるのでしょうか?
ここではまず修繕積立金の滞納が増加している背景を解説したうえで、修繕積立金滞納のケースでの不動産売却はどうなるのかについても解説します。
不動産売却時の困りごと!修繕積立金の滞納が増加している背景とは
「不動産売却をしたいが、修繕積立金を滞納してしまっている」というケースは近年増えてきています。
2018年、国土交通省が発表した「マンション総合調査結果」によると、管理費や修繕積立金を3か月以上滞納している世帯はなんと24.8%。
およそ4分の1の世帯が滞納しているという調査結果が出ています。
これほどまでに管理費や修繕積立金の滞納が増えた背景として考えられるのは、近年の景気の悪化や雇用の不安定化です。
ひと昔前までは、住宅ローンは将来の昇給やボーナスも見込んだうえで「これなら無理なく返済できるだろう」と考えられる金額で組むのがごく普通のケースで、景気がいい時は昇給もするしボーナスも出るし、という感じで問題なかったのですが、今は情勢が違います。
昇給もままならない、ボーナスカット、リストラなどが珍しくない状況で「子どもができて必要な生活費は増えるのに収入は上がらない」など、生活が苦しくなり、修繕積立金を支払えない状態に追い込まれる人が増えてきているのです。
修繕積立金を滞納している場合の不動産売却はどうなる?
修繕積立金を滞納している場合の不動産売却は、当然のことながら滞納のない不動産売却よりも不利になります。
もちろん、滞納している修繕積立金の清算をして滞納を解消してから売却に出せれば一番いいのですが、それができない場合は重要事項説明書に滞納がある旨を記載する義務があり、それを納得したうえで買おうとしてくれる買い手を探さなければいけません。
当然買い手が出る可能性は滞納のない不動産よりも低くなり、売却価格を下げられるリスクも高くなります。
「滞納が理由で売却が不利になるのは嫌だ」と、重要事項説明書に滞納の事実を記載せず、買主に滞納を隠したままで不動産売却をしたいと考える人もいますが、これは絶対にやってはいけません。
都合の悪い事実を隠して不動産売却をすることは契約不適合にあたり、損害賠償など法的措置を取られる対象となってしまいますよ。